The Newspaper is a photobook produced using the newspaper itself as its medium. The project is set within the Kyoto Shimbun, one of Japan’s oldest regional newspapers with a history spanning more than 140 years. Even today, reporters continue travelling to remote mountain villages, while newspaper carriers deliver the news every day. Japanese photographer Kazuma Obara and writer Akihico Mori documented, through photographs and texts, one of the final landscapes left behind by the newspaper industry.
The work consists of thirteen separate newspapers printed on a rotary press and archived together with metal bindings, functioning collectively as a single archival photobook. At the same time, each section can also be detached and read individually as an independent newspaper. The structure of the work continuously moves between two states: photobook and newspaper, archive and circulation.
『The Newspaper』は、新聞そのものをメディウムとして制作した写真集である。プロジェクトの舞台は、140年以上の歴史を持つ、日本で最も古い地方紙の一つである京都新聞である。いまもなお、記者たちは山間部の集落まで取材に向かい、新聞配達員が毎日ニュースを届けている。写真家、小原一真と文筆家、森旭彦は、この新聞産業が残してきた最後の風景の一つを写真とテキストによって記録した。
この写真集は、情報と人間における限界について考察する試みでもある。テクノロジーは指数関数的にその可能性を拡張していくが、人間の身体はそうではない。無限の複製を可能にするテクノロジーと、膨大な電力とネットワークによって成立している今日のニュース経済は、本当に人間をより良くするのだろうか?
一方のフィジカルな新聞は、主として人間の労働が、可能性そのものだった。20世紀の大半においてニュースとは、人間が記録し、人間が届けるものだったのだ。深夜に印刷され、人の手で運ばれた新聞は、朝刊として届けることのできる範囲の中でのみ流通していた。その物理的な制約こそが、小さな地域の記憶を記録し、保存し続けることを可能にしていたのである。
この写真集は、新聞というフィジカルなメディアが持つ情報構造とその物理的制約を、人間が責任を持って扱いうる情報の限界点として捉え直し、その意味を現代において批評的に問い直す試みなのだ。
本作は実際の新聞印刷で使われる輪転機によって印刷された13部の独立した新聞によって構成されている。それらは着脱可能な留め具によってファイリングされており、13部それぞれを取り外し、独立した新聞として読むこともできる。この構造は、新聞であり写真集であるという二面性を持つとともに、新聞そのもののアーカイブと流通の二つの状態を往復することができる。
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写真家・小原一真が発信するPodcast番組「Reading Photography」に、文筆家・森旭彦がゲスト参加。「The Newspaper」について深掘りします。
身体を通過するメディア — 最新写真集『The Newspaper』(前編)https://open.spotify.com/episode/1f62RpqSWa5gQIRrNEJykM?si=zpwTJ3leR1S_VQGI82ovZA
ダミーブックという思考 — 最新写真集『The Newspaper』(後編)https://open.spotify.com/episode/1gmDdm2Or5Rubetwor211f?si=VCPdWs2vTVCv_tDPwlhstg
<以下のイベントは終了いたしました。>
TALK『新聞をアートブックへ翻訳する-情報と形式の再定義』 5/10(日) 15:30–16:30 @ROHM Theatre Kyoto Park Plaza 3F 参加無料・予約不要
写真家・小原一真と文筆家・森旭彦がお送りするトークショー。 写真とテキストによって、「新聞」というメディウムそのものを捉え直す試み「The Newspaper」。編集、印刷、流通──複数のプロセスを横断しながら、情報がどのように形を持ち、社会に届いていくのかを語り尽くします。
TALK『物語を刷る』 5/15(金) 18:00–19:15 @京都新聞印刷 久御山工場 〒613-0033 京都府久世郡久御山町林高黒1-8 定員:15名 参加無料・要予約 申込:こちらからお申し込みください。
印刷工場で考える、言葉が社会に残る瞬間
新聞形式の写真集『THE NEWSPAPER』をもとに、実際に新聞が刷られる現場でトークを行います。言葉や記録が、どのように形を持ち、社会へと流通していくのか。そのプロセスや言葉や写真がものに変換された時に生まれる価値について、実際の新聞が刷られる久御山工場で具体的に捉え直します。
※工場の稼働があるため、時間通りに開始、終了いたします。